花合わせは、花札を使った代表的なゲームのひとつです。「花」「ばかっ花」「絵取り」などの別名でも呼ばれ、古くから日本で親しまれてきました。
「花合わせ」は「こいこい」と並んで有名な花札ゲームですが、花合わせは取った札の点数と役の点数を合計して競うため、より戦略性の高いゲームとなっています。ルールは一見複雑に見えますが、基本を押さえれば意外とシンプルです。
このページでは、初めて花合わせに触れる方でもすぐに遊べるよう、基本ルールから役一覧、点数計算までわかりやすく解説します。
■ 花合わせとは?基本を理解しよう
■ ゲームの準備と札の配り方
■ 花合わせの遊び方・ゲームの流れ
■ 札の種類と点数一覧
■ 花合わせの役一覧と得点表
■ 点数計算の方法
■ 花合わせで勝つための3つのコツ
■ まとめ:花合わせを覚えて花札を楽しもう
花合わせは、同じ月の札を合わせて取り合い、集めた札の点数と役の点数を競うゲームです。原則として3人で遊ぶのが基本ですが、2人〜7人まで対応できるルールもあります。ここでは花合わせの基本的な特徴と、似たゲーム「こいこい」との違いを解説します。
花合わせの最大の特徴は、取った札の点数と役の点数の両方で勝負が決まる点です。
花札48枚すべてを使い、各プレイヤーに配られた手札と場に並べられた場札を使ってゲームを進めます。手札や山札から出した札と同じ月の札が場にあれば、その札を取って自分のものにできます。
ゲーム終了時には、集めた札それぞれの点数を合計し、さらに特定の組み合わせ(役)が完成していればボーナス点が加算されます。最終的な合計点が最も高いプレイヤーが勝者となります。
花札ゲームとして「こいこい」も有名ですが、花合わせとはいくつかの点で異なります。
プレイ人数 こいこいは2人専用ですが、花合わせは原則3人で遊びます。
ゲームの終了条件 こいこいは役ができた時点で「こいこい」か「勝負」を選択しますが、花合わせは手札がなくなるまでゲームが続きます。すべての札が取り尽くされてから点数計算を行います。
得点の仕組み こいこいは役の点数のみで勝敗が決まりますが、花合わせは札自体の点数+役の点数で競います。そのため、役ができなくても高得点の札を集めれば勝てる可能性があります。
花合わせを始める前に、道具の準備と札の配り方を覚えましょう。親の決め方や配札のルールなど、ゲーム開始前に必要な手順を解説します。
花合わせに必要な道具は以下の通りです。
花札は12か月×4枚の計48枚で構成されています。各月には松(1月)から桐(12月)までの植物が描かれており、同じ月の札を「合わせる」ことからこのゲーム名がついています。
ゲームを始める前に、まず「親」を決めます。親は札を配る役割を担い、最初に手番が回ってきます。
親の決め方は、各プレイヤーが山札から1枚ずつめくり、最も月の数字が小さい札を引いた人が親になります。同じ月の札が出た場合は、その札の点数が高い方を親とします。
3人で遊ぶ場合、親の右隣を「胴二(どうに)」、左隣を「ビキ」と呼びます。ゲームは親→胴二→ビキの順に反時計回りで進行します。
3人で遊ぶ場合の基本的な配り方は「手七場六(てしちばろく)」と呼ばれます。
この配り方で、手札21枚+場札6枚+山札21枚=48枚となります。
| 人数 | 手札 | 場札 |
|---|---|---|
| 2人 | 10枚 | 8枚 |
| 3人 | 7枚 | 6枚 |
| 4人 | 5枚 | 8枚 |
| 5人 | 4枚 | 8枚 |
配った後、場札に同じ月の札が4枚すべて揃っている場合は、公平を期すために配り直しとなります。これは、その月の札を誰も取れなくなってしまうためです。
ゲームの基本的な流れを解説します。花合わせでは「手札を出す」「山札をめくる」という2つの動作を繰り返しながら札を集めていきます。
自分の手番が来たら、まず手札から1枚を選んで場に出します。
場に同じ月の札がある場合 出した手札と同じ月の札が場にあれば、その2枚をセットで取り、自分の得点札として手元に置きます。
場に同じ月の札が3枚ある場合 手札の1枚と合わせて4枚すべてを取ることができます。
場に同じ月の札がない場合 出した手札はそのまま場札として場に残ります。
手札を出した後、山札の一番上から1枚をめくって場に出します。
めくった札についても、場に同じ月の札があれば取り札にできます。なければ場札に加えます。
ここまでで1人の手番(ターン)が終了し、次のプレイヤーに交代します。
親→胴二→ビキの順に手番を繰り返し、全員の手札がなくなったら1ラウンド終了です。3人で遊ぶ場合、7巡でちょうど48枚すべての札が取り尽くされます。
1ラウンド終了後に点数計算を行い、結果を記録します。正式ルールでは12ラウンド(12回戦)を行い、合計得点で最終的な勝敗を決めます。ただし、事前の取り決めで3回戦や6回戦など短縮して遊ぶことも可能です。
配札後、ゲーム開始前に手札に特定の組み合わせがある場合、公開してボーナス点を得られるルールがあります。
七カス 手札7枚すべてがカス札(1点札)だった場合、他の2人からそれぞれ30点をもらえます。公開した7枚は場札扱いとなり、他のプレイヤーに取られる可能性があります。
六カス 手札7枚中6枚がカス札だった場合、他の2人からそれぞれ20点をもらえます。カス札6枚を公開し、残り1枚だけが手札となります。
このルールは採用するかどうかを事前に決めておきましょう。なお、SDIN花札では採用していません。
花札48枚は、点数によって4つの種類に分類されます。どの札が何点なのかを把握することは、花合わせで勝つための第一歩です。
| 1月:松(まつ) | 2月:梅(うめ) | 3月:桜(さくら) |
|---|---|---|
![]() 20点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
![]() 10点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
![]() 20点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
| 4月:藤(ふじ) | 5月:菖蒲(あやめ) | 6月:牡丹(ぼたん) |
![]() 10点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
![]() 10点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
![]() 10点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
| 7月:萩(はぎ) | 8月:芒(すすき) | 9月:菊(きく) |
![]() 10点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
![]() 20点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
![]() 10点 ![]() 5点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
| 10月:紅葉(もみじ) | 11月:柳(やなぎ) | 12月:桐(きり) |
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![]() 20点 ![]() 10点 ![]() 5点 ![]() 1点 |
![]() 20点 ![]() 1点 ![]() 1点 ![]() 1点 |
光札は花札の中で最も価値の高い札で、全部で5枚あります。すべて集めると「五光」という最高役になります。
| 月 | 札の名前 | 点数 |
|---|---|---|
| 1月 | 松に鶴 | 20点 |
| 3月 | 桜に幕 | 20点 |
| 8月 | 芒に月 | 20点 |
| 11月 | 柳に小野道風 | 20点 |
| 12月 | 桐に鳳凰 | 20点 |
種札は動物や盃などが描かれた札で、全部で9枚あります。
| 月 | 札の名前 | 点数 |
|---|---|---|
| 2月 | 梅に鶯 | 10点 |
| 4月 | 藤に不如帰 | 10点 |
| 5月 | 菖蒲に八橋 | 10点 |
| 6月 | 牡丹に蝶 | 10点 |
| 7月 | 萩に猪 | 10点 |
| 8月 | 芒に雁 | 10点 |
| 9月 | 菊に盃 | 10点 |
| 10月 | 紅葉に鹿 | 10点 |
| 11月 | 柳に燕 | 10点 |
短冊札は短冊が描かれた札で、全部で10枚あります。赤短冊(文字あり)、青短冊、赤短冊(文字なし)の3種類があります。
| 月 | 札の名前 | 種類 | 点数 |
|---|---|---|---|
| 1月 | 松に赤短 | 赤短冊(文字あり) | 5点 |
| 2月 | 梅に赤短 | 赤短冊(文字あり) | 5点 |
| 3月 | 桜に赤短 | 赤短冊(文字あり) | 5点 |
| 4月 | 藤に短冊 | 赤短冊(文字なし) | 5点 |
| 5月 | 菖蒲に短冊 | 赤短冊(文字なし) | 5点 |
| 6月 | 牡丹に青短 | 青短冊 | 5点 |
| 7月 | 萩に短冊 | 赤短冊(文字なし) | 5点 |
| 9月 | 菊に青短 | 青短冊 | 5点 |
| 10月 | 紅葉に青短 | 青短冊 | 5点 |
| 11月 | 柳に短冊 | − | 5点 |
カス札は上記以外の札で、全部で24枚あります。1枚1点と低い点数ですが、枚数が多いため合計するとそれなりの点数になります。
各月に2枚ずつ(11月の柳のみ1枚)あり、花や植物のみが描かれたシンプルなデザインが特徴です。
全札の点数合計 光札(20点×5枚)+種札(10点×9枚)+短冊札(5点×10枚)+カス札(1点×24枚)=264点
3人で遊ぶ場合、この264点を3人で分け合うため、平均は88点となります。この88点が点数計算の「基準点」となります。
花合わせには、特定の札の組み合わせで成立する「出来役」があります。役が完成するとボーナス点として加算されるため、高得点の役を狙うことが勝利への近道です。
200文:5枚の20点札





60文:柳以外の4枚の20点札




20文:松、桐、芒の20点札



30文:梅の10点札、松、桜の20点札



30文:桜、芒の20点札、菊の10点札



20文:桜の20点札、菊の10点札


20文:芒の20点札、菊の10点札


20文:萩、紅葉、牡丹の10点札



40文:柳以外の7枚以上の5点札







30文:柳以外の6枚の5点札






40文:梅、松、桜の5点札



40文:牡丹、菊、紅葉の5点札



20文:藤、菖蒲、萩の5点札



20文:藤の4枚




20文:柳の4枚




20文:桐の4枚




光札を集めることで成立する役です。
| 役名 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| 五光(ごこう) | 光札5枚すべてを揃える | 200点 |
| 四光(しこう) | 柳に小野道風以外の光札4枚を揃える | 60点 |
| 松桐坊主(まつきりぼうず) | 松に鶴・芒に月・桐に鳳凰の3枚 | 20点 |
| 表菅原(おもてすがわら) | 松に鶴・梅に鶯・桜に幕の3枚 | 30点 |
種札を集めることで成立する役です。
| 役名 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| のみ | 桜に幕・芒に月・菊に盃の3枚 | 30点 |
| 花見酒 | 桜に幕・菊に盃の2枚 | 20点 |
| 月見酒 | 芒に月・菊に盃の2枚 | 20点 |
| 猪鹿蝶(いのしかちょう) | 萩に猪・紅葉に鹿・牡丹に蝶の3枚 | 20点 |
短冊札を集めることで成立する役です。
| 役名 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| 七短(しちたん) | 柳以外の短冊札7枚以上 | 40点 |
| 六短(ろくたん) | 柳以外の短冊札6枚 | 30点 |
| 赤短(あかたん) | 松・梅・桜の赤短冊3枚(文字入り) | 40点 |
| 青短(あおたん) | 牡丹・菊・紅葉の青短冊3枚 | 40点 |
| くさ | 藤・菖蒲・萩の短冊3枚(文字なし赤短冊) | 20点 |
同じ月の札4枚をすべて集める「島」と呼ばれる役もあります。
| 役名 | 条件 | 点数 |
|---|---|---|
| 藤島 | 藤(4月)の札4枚すべて | 20点 |
| 雨島 | 柳(11月)の札4枚すべて | 20点 |
| 桐島 | 桐(12月)の札4枚すべて | 20点 |
役の名称や点数は地域やルールによって異なる場合があります。遊ぶ前にどの役を採用するか確認しておきましょう。なお、SDIN花合わせは、より高い役に「必ず」内包される役は重複しません(五光と松桐坊主は重複せず、七短と青短は重複する)。
1ラウンド終了後、各プレイヤーの得点を計算します。花合わせの点数計算は少し複雑ですが、基本的な考え方を理解すれば難しくありません。
花合わせの得点は、以下の要素で構成されます。
最終得点 = 札の点数 + 役の点数 − 基準点(88点)
基準点とは、全札の合計点264点を3人で割った平均値です。この基準点を引くことで、プラスとマイナスが生じ、勝ち負けが明確になります。
役の点数は、単純に加算するのではなく、他のプレイヤーとのやり取りが発生します。
たとえば、自分が「猪鹿蝶(20点)」を完成させた場合、他の2人からそれぞれ20点ずつ、合計40点を受け取ります。
3人(親・胴二・ビキ)で遊んだ場合の計算例を見てみましょう。
| プレイヤー | 札の点数 | 完成した役 | 役点 |
|---|---|---|---|
| 親 | 100点 | 赤短(40点) | 40点 |
| 胴二 | 80点 | なし | 0点 |
| ビキ | 84点 | 猪鹿蝶(20点) | 20点 |
| プレイヤー | 札の点数 | 役のやり取り | 合計 |
|---|---|---|---|
| 親 | 100点 | +80−20=+60点 | 160点 |
| 胴二 | 80点 | −40−20=−60点 | 20点 |
| ビキ | 84点 | −40+40=0点 | 84点 |
| プレイヤー | 合計 | 基準点 | 最終得点 |
|---|---|---|---|
| 親 | 160点 | −88点 | +72点 |
| 胴二 | 20点 | −88点 | −68点 |
| ビキ | 84点 | −88点 | −4点 |
このように、3人の最終得点を合計すると必ず0になります。
基本ルールを覚えたら、次は勝つためのコツを押さえましょう。初心者でも意識するだけで勝率が上がる3つのポイントを紹介します。
花合わせで最も大切なのは、どの札が何月なのかを覚えることです。同じ月の札を合わせて取るゲームなので、月の組み合わせを把握していないと効率よく札を集められません。
最初は「松=1月」「桜=3月」「紅葉=10月」など、わかりやすい札から覚えていきましょう。実際に遊びながら覚えるのが最も効果的です。
札の点数だけでなく、役の点数を意識してゲームを進めることが重要です。役が完成すると他のプレイヤーからも点数をもらえるため、得点差が大きく開きます。
初心者におすすめの狙いやすい役は以下の3つです。
これらの役に必要な札が場に出たら、優先的に取るようにしましょう。
自分が役を狙うだけでなく、相手の役を阻止することも勝利への近道です。
たとえば、相手が「猪鹿蝶」を狙っていると分かったら、必要な札を先に取ってしまうのも有効な戦略です。場に出ている札や相手の取り札を観察し、何を狙っているかを推測しましょう。
また、自分が役を完成させられそうにない時は、せめて相手に取らせないよう立ち回ることで、失点を最小限に抑えられます。
花合わせは、札の点数と役の点数を競う奥深い花札ゲームです。最初は覚えることが多く感じるかもしれませんが、実際に遊んでみると自然とルールが身についていきます。
まずは月ごとの札を覚えることから始めましょう。同じ月の札を把握することがすべての基本です。慣れてきたら「猪鹿蝶」や「赤短」といった役を意識しながら札を集めてみてください。
花合わせは江戸時代から続く日本の伝統的な遊びです。家族や友人と一緒に、ぜひ花札の世界を楽しんでみてください。
ルールを覚えたら、さっそく花合わせで遊んでみましょう。札を合わせる楽しさと、役を完成させた時の達成感をぜひ味わってください!